精神障害者をサポート、精神保健福祉士の将来性

精神障害者をサポート、精神保健福祉士の将来性

将来就く仕事を考えるなら、安定していて長く働ける職がよいですよね。その中でも特に、安定していて将来性のある仕事の一つに挙げられるのが、「医療関係者」かと思います。しかし、医療関係者と言っても、職種は多岐に渡ります。医療関係者が本当に安定している職業であると言えるのでしょうか?今回は、医療関係者は安定した職種なのか、医療関係者の中でも今後需要が高まっていくと思われる職業はあるのかについて、お話していこうと思います。

医療関係者は安定している?

父母がよく冗談のように息子・娘に対して「医者になってほしい」と言うように、医療関係の仕事の将来性はかなり有望であることは言わずもがなです。日本の高齢化は以前から問題視されていましたが、現在はとうに高齢化社会を通り越して、超高齢化社会となってしまいました。超高齢化社会の確定した現代日本では、今後さらに高齢者の割合が増えることが予想されています。特に2025年前後は、団塊の世代が高齢者と呼ばれる年齢に差し掛かる頃です。老化がきっかけとなった怪我人・病人が発生する頻度が高まり、ますます医療関係の職種はニーズが増えていくことでしょう。

一般の職種などはRPAやAIの発達によって仕事が奪われるのではないかと危惧されています。もしかしたら、医療関係の一部の職種も将来的には機械に取って代わられるかもしれません。そんな中、機械では賄えないスキルこそがコミュニケーション能力ではないでしょうか。そのコミュニケーションスキルを武器に弱者を助けるのが精神保健福祉士になります。

精神保健福祉士とは

精神保健福祉士は、医療もしくは行政機関、福祉施設などにおいて、精神に障害を負った人およびその家族をサポートする仕事です。「社会福祉士」「介護福祉士」と並ぶ3福祉士の1つであり、国家資格を取得している方のみが、その職業を名乗ることができます。精神保健福祉士の仕事内容は、精神障害のある人やその家族から相談を受け、その問題を解決する施設の紹介やアドバイスを行います。日常生活や就職などに関する相談が多いようです。似たような仕事に同じ3福祉士に属する社会福祉士がありますが、精神保健福祉士の対象は精神障害者のみという違いがあります。

ストレス社会に必要な職業

精神保健福祉士が精神障害者に特化しているのは、それだけ精神障害者が多いことの裏返しとも言えるのではないでしょうか。現代はストレス社会です。鬱病をはじめ、社会には心の問題が蔓延しています。そのため、最近ではハローワークや教育機関、一般企業などでもメンタルケアやストレス対策のために雇用する機会も増えています。今後も精神保健福祉士のフィールドはどんどん広がっていくことでしょう。基本給は国家公務員に準じる形で、そこまで高給は望めないものの、手当やボーナスが充実しているため、安定の望める資格となっています。

精神保健福祉士になるには

これから精神保健福祉士になることを望む人も多いでしょうが、精神障害者を相手にすることはそんなに楽ではありません。きちんと学校に通い準備をすることをお勧めします。

また、精神保健福祉士は国家資格だとお伝えしましたが、資格取得には国家試験を受けて合格しなければなりません。試験は年に1回。受験資格を得るには、決められたルートを進み、受験に必要な勉強をする必要があります。精神保健福祉士を目指したい方は、自分のキャリアに合わせてルートを選んでください。

中には、働きながら精神保健福祉士を目指したいという方もいるでしょう。その場合は、通信制の大学などを選ぶと無理なく勉強と受験資格の取得が叶います。東京通信大学なら働きながら学び精神保健福祉士を目指せる大学です。基本的な知識やスキルの取得はもちろん、国家試験対策もしっかりと行ってくれるのに、4年間の学費は入学金込みで62万円というのだからかなりお得で現実的だと思います。

精神保健福祉士の国家試験

精神保健福祉士の国家試験の難易度は、決して簡単とは言えません。合格率で見てみると、近年は60%程度で、高すぎず、低すぎずといった値です。とはいっても、この合格率を見ると、決して楽に合格できる試験ではないんだとお分かりいただけると思います。

試験は、「心理学理論と心理的支援」や「現代社会と福祉」を含む全17科目から出題されます。合格のラインは6割程度の正解と言われており、安全に合格するには7割程度は取っておきたいところです。

出題形式は、5つの選択肢から正解を選ぶもの。問題数はかなり多いので、てきぱきと解いていく必要があります。そのため、過去問を繰り返し解きながら、出題の形式に慣れ、知識を蓄えていきましょう。

このように精神保健福祉士は、ストレス社会だからこそ今後の将来性が高い職業だと言えるのではないでしょうか。現在、精神保健福祉士は、同じ3福祉士に属する他の2つの職業介護福祉士や社会福祉士に比べ、登録者数が少ないと言われています。しかし、今後は精神保健福祉士の数も増えていくのではないでしょうか。

寄り添う手と手