病院の種類には2種類あります。公立と民間です。市立、県立、医療法人立など、病院には様々な種類がありますが、果たしてこれらの病院で働く上で給与の差はあるものなのでしょうか。
一般人であれば病院は病院でしかありませんが、医師の先生方には一般的に、公立病院には年収が低く、手当や外勤(アルバイト)の面でも不便というイメージを持たれている方が多いようですね。逆に、民間病院に関しては年収が高く、病院経営に貢献するよう利益を意識しなくてはならないというイメージを持たれているようです。まんま、公務員と一般企業のイメージですね。確かに、私立の病院であればこそ、病院経営は考えなくてはなりません。
実際に、公立病院と民間病院では年収は違うものなのでしょうか。厚生労働省の「第20回医療経済実態調査」(2014年度)では、医師の平均年収は公立病院で1,494万円、民間病院(医療法人)で1,544万円となっており民間病院の方が年収が高いという結果となりました。とはいえ、50万円の差でしかありません。もちろん、額が大きいから50万円があまり大きな数字に見えてないだけで、一般企業で50万円稼ぐのはかなり大変なことです。しかし、思った以上に差がないという印象は私だけでしょうか?1500万円も稼ぐような職業において、50万円で売上のプレッシャーから解放されるのであれば公立病院勤務の方がよほどよいと思うのですが。
では、なぜこのように公立病院が低くなってしまったのでしょうか。原因を調べる上で、考えられる理由の中に、「公立の方が赤字病院の比率が高い」ということがどうやらあるようです。単純に、民間病院は、会社と同じで経営を第一にしなくてはいけません。当然ですが、売上貢献を目的に人件費も高くなりますし、その代わりに収益は高くなるはずです。つまり、民間だからこそ経営が成り立ってる病院が多いわけです。一方で公立病院であれば、行政の保護下にあり、経営を意識せず医師としての本分を全うしていればいいのですから、結果として赤字の病院が増えてくるというのも分かります。また、公立病院では公務員扱いになるから、当然外勤が制限されますから年収が低くなります。
ということで、確かに医師の先生方が考えていたことはすっかり当てはまっていたわけですが、あくまでも統計的な話でしかないということに注意しましょう。平均を取ればそうなっただけであるという話で、公立病院の中にも待遇改善し、給与水準が高い病院はたくさんあります。逆に、民間病院のすべてが潤っているわけではなく、給与が安いというところだってあるのです。地域差というよりは、経営者次第といえそうですね。
例えば、大阪と兵庫の近接する地域でも、医師の平均年収を調べると(2014年度)、大阪が約1349万円、兵庫県が約1119万円でした。公立と民間の差50万円どころではないですよね。確かに地域差はあります。医師が多かったり比較的集めやすい地域では、給与条件は低くなりますし、医師確保がこんなんな地域になれば給与条件は良くなるでしょう。確かにエリア差は出やすいかもしれませんが、医師の転職サイト、ドクタービジョンにて大阪府の求人案件、兵庫県の求人案件それぞれを見比べてみると、案件ごとに結構違うということに気づくはずです。
結論としては、あくまでもエリアや公立/民間の種類だけで給与の絶対額が決まるわけではないということです。各種条件を案件ごとによく見ることが転職成功の近道と言えるのではないでしょうか。