メンタルヘルス対策は現在、世界中で必要性の高いものとされるようになりました。ただ実際のところ精神がいくら病んだとしても体を動かすことは出来ますし、治療が必要かどうかということはそれぞれの人の精神的な構造などによって変わってくる事になります。
ではどうしてこういった治療が必要とされているのかというと、これは生産性を落とすこと、放置すると命にかかわることの二つが理由であると言えます。まず例として、現在非常に強い不安感を抱えており常に意識がその不安に向いてしまう人と、心身ともに健康である人の二人を同じ作業に従事させた場合を考えてみましょう。この場合ほぼ間違いなく前者の方が生産性は低く、ミスも多くなります。そうなるとその人が所属する団体・共同体の中ではその人に対する評価が低下してさらなる精神状態の悪化につながりますし、そして団体・共同体の一体感を損なうリスクが出てきてしまうのです。
次いで放置すると命にかかわることですが、これは特にうつ病を患った場合において深刻な問題となります。精神が病んでしまった人は現状を上手く理解することが出来ず、また将来についても悲観的になりがちです。そうなると最悪の場合「将来的に自分の状態はより悪くなるから命を絶ってしまおう」と考えてしまうことにつながります。こうした事態を避けるためにも、精神的な面でのケアは非常に重要とされているのです。